転回
星月夜
夜空の星を数える。荒涼とした地平線の向こうから一つだけの月が淋しげに上る冴え冴えとした夜、眠れずに空を見上げる。昔の誓いはとうに破られ、共にあることは適わない。何の解決策も見出せず、何の結果も手に出来ぬまま、絶望感にとらわれ、孤独にあえぐとき、この月明かりの向こうに彼の人がいることを思い出す。
月明かりの下で想い人が奏でていた曲が胸を過ぎる。ほの白い月光を映して煌く青い髪がわずかに夜風に靡き、細い指から紡ぎ出された切ない音。
星がまたたいているのか、己の心が揺れているのか、もう分からない。