蜜月旅行(ハネムーン)

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二章:空騒ぎ

 リーガルが手ずから振舞ってくれたディナーは誰しもが満足のいく出来で、子供達はデザートの一かけらまで残さずに食べいてる。クラトスとリフィルの目を盗んで、少しだけ飲んだ食前酒でのせいで、ロイドとジーニアスの顔が少し赤いのは、お目こぼしされている。散々昼間の二人の出来事を楽しんだゼロスはしいなと一緒にいつの間にか姿を消し、リフィルはリーガルの家に代々伝わるコレクションを見に来ないかと誘われ、クラトスに子供達の面倒を頼み、リーガルの家へと向う。
 ジーニアスがプレセアにそっと囁く。
「リーガル、姉さんの質問にどれだけ我慢できるかな。多分、全部見るまで姉さんはあきらめないよ」
「リーガルさんとリフィルさんの徹夜の確率、100%ですね」
 プレセアも分かったようにうなずく。
「さあ、行こうぜ」
 ロイドはコレットの手を握り、先頭にたって走り出す。
「ロイド、待て。よいか。コインのスロットマシン以外は未成年は駄目だからな。コインは500ガルドまでだ。それを超えて使いたい場合には、必ず、私にたずねること。それから、……」
 クラトスがカジノでの注意についてくどくどと話している間にも、聞く耳を持たない大切な息子とその友人達はどんどん遠ざかる。
「クラトス、私は未成年ではないから、注意は不要だ」
 気づけば、極上のワインでいい気分になっている恋人が彼の耳元で囁きかけているだけだ。


 カジノへ繰り出す一行のしんがりをユアンとクラトスが歩いている。
「ユアン、まさかと思うが、賭け事をするつもりなのか」
 腰に回ってくる恋人の腕を思いっきり捻りあげながら、クラトスが尋ねる。
「クラトス、利き腕はやめてくれ。痛いぞ」
 そう言いながらも、体を寄せてくる恋人の体温の心地よさについ手の力が抜けそうになるが、ここで甘やかしては、カジノで何が起きるかわからない。クラトスが体を離そうとすると、恋人はうらめしそうに彼の顔を覗き込むので、仕方なく、怪しくうごめく手を押さえつけるだけとする。
 じゃれあっている大人たちがきちんとついて来るかどうかを確かめるために振り返ったロイドは、コレットに囁く。
「父さんたち、ようやくリラックスしてきたみたいだな。手つないでるぜ」
「ロイド、良かったね」
 クラトスの握力を知らない二人はほのぼのと顔を見合わせ、その先で待っているプレセアとジーニアスの方へ駆け寄る。
「カジノとは賭け事のために行く場所ではないのか。楽しみだな。貴様のために思いっきり稼ぐから、手を離してくれ。貴様と違って私の手は繊細に出来ているから、あまり、力を入れるな」
 確かに繊細によく動く指ではあるなと思いながら、クラトスは思い切り握っていた手をわずかに緩めるが、ユアンでなければ、大怪我間違いなしであることには気づいていない。
「ユアン、私のために稼ぐ必要はないぞ。我々にお金は必要なかろう」
 クラトスが問い返せば、緩められた瞬間に引き抜いた手をクラトスの肩に回して、ピシリと叩かれている懲りない恋人は、「いやいや」と答える。
「ハネムーンでは、愛する者のために思い切り稼がなくてはならないと聞いた」
 すっかり、ゼロスの説明を真にうけている愛しい者は、その長い髪をゆすりながら、「必ずや、金を我が物に」などと、どこかのゲームで聞いたような迷台詞をつぶやいている。


 さすが、アルタミラのカジノ。多くの人が繰り出して、賑やかにして華やかな雰囲気に溢れている。
 入るなり、周りに厳しい視線をなげかける偉丈夫な剣士と、その横で腕を捻りあげられたままの姿勢の見た目だけなら美しいハーフエルフの様子に、慌てて、カジノのマネージャが駆け寄る。
「お客様、何が問題がございますでしょうか」
 ユアンに向って、フロアマネージャがたずねると、それとは気づかないクラトスが淡々と答える。
「いや、子供達を捜しているだけで、問題はない」
「あの、お連れ様が……」
 後ろの用心棒に目配せをしながら、フロアマネージャがさらに尋ねようとすると、戯れの仕返しをされているお連れ様はまったく意に介さずに、軽い雷撃を走らせながら手をふりほどき、
「クラトス、あちらにロイド達がいるぞ」
 と答えながら、奥へと進む。
「子供達が見つかったようだ。カジノの中で術は使わないように言い聞かせるから許してやってほしい」
 これまた、何を気にされているのかわかっていない剣士が、普通のものなら失神するような雷撃で軽く痺れた手を振りながら、奥へと青い髪のお連れ様を追いかけていく。それを止めようとするフロアマネージャのところへ、無線でチーフマネージャから、『リーガル様の大切なお客様』だから丁重にご接待するようにとの指示が入る。リーガル様はいつのまにこんな怪しい方たちとお知りあいになったのだろう。


 スロットマシンの前で子供達がキャッキャッとはしゃいでいる。クラトスが心配するまでもなく、ジーニアスとプレセアは手の中のコインを一枚ずつ入れては、地道にコインを増やそうと努力している。
「ジーニアス、このマシンの回収率50%です」
「うーーん、プレセア、別のマシンに移動した方がいいかな」
 これなら、コインを無駄にせずに楽しんでくれるだろう。
 ロイドとコレットはと探すと、斜め前の台でロイドがいきなりたくさんのコインを賭けて、台に吸い込まれている。
「コレット、悪い。あっという間に3枚になったぜ」
 ロイド、一枚ずつという忠告を聞かなかったのか。クラトスが例によって眉間にしわを寄せながら、これ以上無駄にコインを使うなとたしなめようとする前に、ユアンがロイドに近づき、余分なコインを与えている。
「ロイド、この台はまがまがしいものを感じる。こちらでやってみろ」
「そういわれるとそうだな。確かにこのマシンの方が感じがいいぜ」
 ユアンとロイドがうなずきあっている。
 一体、この無機質な台のどこから、『まがまがしい』とか『感じがよい』とかわかるのだ。常識の世界に住んでいる父親にはさっぱり理解できずにいる横でコレットが「あ、手が滑っちゃった」とかわいらしく首を傾げながら、『感じのよい』台でスリーセブンを出し、ロイドが失ったコイン以上に稼いでいる。これはこれで、ほっておいて大丈夫かもしれない。


 ユアンがそれは嬉しそうに周りを眺めている。
「クラトス、わくわくするな。貴様のためにも私も頑張るぞ。ああ、あれを試してみたかったのだ」
 人だかりのしている場所にルーレットが見える。
「ユアン、あれは運だけだから、やめた方がよいのではないか。せめて、カードの方がある程度の予測がつくであろう」
 過去の大戦でも局所戦の戦術まで詳細に考慮していた剣士が真剣に勝負について考えている。しかし、そんな彼の忠告も聞かず、常に野生の勘としか言いようがない大胆な戦略で勝利を掴んできた麗しい恋人はさっさと人だかりに近づいていく。
「そこのお美しいレディ、横に入ってもいいかな」
 こういう社交辞令だけは長けている恋人が、例の魅惑的な笑顔を浮かべて周りに愛想をふりまけば、海が割れるように彼の前の席が空き、隣の女性が嬉しそうに手招きする。
「まあ、どちらからいらっしゃいましたの。こちらは初めて」
 早速、女性がユアンの方に身を寄せながら話しかけている。横に割り込むタイミングを逃したクラトスが後ろでやきもきしている間にも、反対側から目にも艶やかな貴婦人と思しき女性が、こちらもユアンに早速話しかけている。
「ユアン、少し様子を見たらどうだ」
 クラトスが慌てて声をかける間もなく、有り金全部をチップに変えたユアンに左隣のクラトスから見れば大変胸の開いた薄物のドレスを身にまとった女性が何やら囁いている。
「ユアン、とにかく、全部を賭けるのではないぞ」
 クラトスがまた声を掛けようとすると、右隣の貴婦人らしき女性がユアンにたずねる。
「こちらの方はお知り合いですの。こちらも素敵な方ね」
「美しいあなたにそうおっしゃられて、奴も光栄でしょう。おい、クラトス、褒められているぞ」
 ユアンが嬉しそうにクラトスの方を振り向く。
「そんな子供の監督をしているようなことを言うな。こちらの方がまずは色で賭けてみてはどうかというから、お前の目の色にちなんで赤にするつもりだ」
 朗らかに答える恋人の答えに、左隣の明らかに連れがいない雰囲気を漂わせている女性がちらとクラトスに目を走らせる。
「まあ、お子様を連れておいでなの」
「ああ、彼の子供がほらあちらに。スロットマシンのところにいる赤い髪の男の子だ。彼に似てなかなかいい男だろう」
「あら、すいぶん大きいのね。お連れの方はお若く見えるみたいだけど。では、お隣のかわいい金髪のお嬢さんがあなたのお子様ですの」
「やつは、ああ見えて、結構な年齢なんですよ。残念ながら、私には、まだ子供はいなくてね」
 結構な年齢というが、お前だって同じだろう。それに我々の間に永遠に子供はできないぞ。ユアン。
 クラトスが後ろで真面目に首を振っている間にも、ユアンは彼の忠告も聞かずに全てのチップを赤に賭けている。
「ユアン、全部を賭けるのは止めろと言ったではないか」
「クラトス、少し黙っていてくれ。私はロイドではないのだから、大丈夫だ」
 二人が言い合っている間に、早速赤に当たり、チップは倍になる。隣の女性達はユアンが独身だとでも勘違いしたのか、やたらと身を寄せているような気がして、クラトスは気が気ではない。そんな彼の心配などどこふく風で、ユアンは女性達と談笑しながら、クラトスが止めるにも関わらず、またしても、全チップを赤に掛けている。
「クラトス、見張ってなくてよいぞ。こちらの方たちがアドバイスしてくれるそうだから、お前も楽しんで来い。カードをやりたいのなら、あちらにブラックジャックがあるそうだ」
 隣の貴婦人に奢られたカクテルをクラトスに渡しながら、ユアンがにっこりと笑う。そうか、私は邪魔か。子連れで悪かったな。


 ブラックジャックの台に一人座って憤懣やるかたないクラトスは、見ないふりをしながらも、遠くではしゃいでいる恋人の動向をうかがっている。
「お客様、いかがいたしましょうか」
 広げられた卓のカードの手もろくに見ないで、クラトスがつぶやく。
「2枚」
 目は、ハーフエルフとその両脇に座っている、彼の基準からすればかなり、布の量が少ないと思われるドレスを身に着けている女性達に向けられたままだ。台を滑ってよこされるカードを機械的に調べる。ユアンが何やら調子がよいらしく、隣の女性が目を見開いて話しかける。あいつめ、王宮にいるわけではないのだから、一々、手をとって答えたりするな。
 クラトスの隣の男はゲームをおりたようだ。ディーラーがちらとクラトスを見る。
「お客様」
 あの左の女はなんだ。なぜ、知りもしないユアンに向って体を寄せる。しかも、大当たりでも取ったのか、大喜びのユアンの頬にキスをしている。離れろ。
「1枚」
 どんな客でも愛想よく対応しているディーラーもその剣幕に青ざめながら、カードを配る。
 今日の客はまったく気配が読めない。普通、あのような険しい顔をしている客は、持ち金をすべて失う瀬戸際か、とてつもない高額をかけているときにしか見ない。しかし、今日の客はほんの子供に毛の生えたようなチップしかかけていないにも関わらず、その気はただならぬものがある。こんなに真剣にプレイする者をおろそかにしてはならない。
 一対一となり、殺気をみなぎらせた客はさらにカードを一枚交換し、「オープン」と言った瞬間に、そんなディーラーの気遣いは、いきなり無用のものとなる。客は、最後のカードを卓に投げつけながら、ゲームの行方のことなぞ、まったく見もせず、ものすごい勢いで席を蹴り立つ。


「ユアン」
 女性達に囲まれてご機嫌なユアンがクラトスの声が聞こえているはずなのに振り向かない。
「ユアン、いい加減にしろ。」
 クラトスの殺気だった声に周囲の嬌声がぴたりと止む。
「聞こえているぞ。クラトス。今、いいところなのだから、邪魔をするな」
 ユアンが振り向かずに答えるその態度に、ちらと隣の女性がクラトスの方へ目を向け、ユアンに向ってくすくすと笑いかける。
「すまないが、そこをどいてくれ。私はその者と話がある」
 クラトスがさらに言い募ると、青いドレスの左隣の女性がユアンの脇を親しげに肘でつついてから立ち上がり、空いた席にクラトスの手を引いて座らせる。
「ほらほら、ちゃんといらしたわよ。良かったわね」
 予想と異なる周囲の反応に戸惑いながら、クラトスは恋人の方を見遣る。ユアンはまだ彼の方は振り向かずに、山のように詰まれたチップのほとんどを「赤の7」といきなり賭けている。いつもなら、彼が側に寄れば、たちどころに反応を返す者がどうやら珍しくすねているようだ。あまりないその様子に、己の怒りも忘れてクラトスがたずねる。
「その、えっと、ユアン。何を怒っているのだ」
「私の側を離れて、あちらでずいぶんと美しいディーラーをじっと見ていたではないか」
 つんとして振り向かない恋人はそう答える。美しいディーラーとはなんのことだ。ユアンしか見ていなかったクラトスは、ブラックジャックの台の前のディーラーの記憶が全くない。クラトスも一応、恋人のいちゃもんに反論しようとするが、さきほどの勢いはない。
「お前こそ、なぜ、このような者たちに愛想を振りまいていた」
「あらあら、ご挨拶ね。私達はずっとあなたの彼氏から素敵なあなたのお話を聞かされていたのよ」
 突然、右の貴婦人が笑いながら答えれば、後ろに立っている女性も大笑いする。
「ハネムーンでこちらにいらしてるのですって。早くお伺いしていれば、最初から席をお譲りしましたのよ」
「彼、大層、あなたのことを心配されてましたよの。いつもなら、何を言っても側を離れないのにって。しかも、あの女性のディーラーの台を選ばれるでしょう。折角のハネムーンで相手をほっておいてはいけないわ」
 いや、それは、あそこが一番ここを見張るのに位置が良かったからだとは言えない。それより、ユアン、周りの人に何を話していたのだ。私がお前を気にしている間中、何か馬鹿なことを言っていたわけではないだろうな。
 勘違いによる怒りが引くと、津波ように恥ずかしさと心配が襲ってくる。
「ですからね、私がお勧めしましたのよ。私達がお近くにいれば、相手の方は気にされて、すぐに飛んでいらっしゃるって」
「思ったとおりでしたわね」
 クラトスが口を開いたり、閉じたりしながら、結局言い訳もできず、顔を赤らめているのをちらりと横からユアンが眺める。
「クラトス、そうなのか」
 もう、何を返答しても、これ以上立場が悪くなることはないだろう。そのとき、「赤の7」という声が聞こえ、周りにおおっと大きな歓声が響く。
「やった。クラトス、貴様がきたとたんに大当たりだ。やはり、愛だな」
 たちどころに機嫌をよくしたユアンが大声で身も蓋もない台詞を叫ぶ。周りの観客から二人へ暖かい拍手が送られ、がっくりと肩を落とすクラトスの腰に手を回し、ユアンが彼の口に軽く接吻をすれば、さきほどの女性陣からグラスを掲げられる。


 毒気の抜かれたクラトスはされるがままに、ユアンの腕の中で大人しく彼の勝負を見ている。
 すっかり気をよくしたハーフエルフは、いつもなら暴走を止めるはずの常識溢れる恋人が魂を飛ばしている隙に、どんどんと大当たりを取り、神業のようにチップを増やしていく。その間にも、「賭けのこつは、愛と勇気と希望」等と、騒ぎに気づいて寄ってきたロイドやコレットたちと一緒に恥ずかしげもなく叫んでいる。
「ハネムーンの二人はお熱いわね」
 などと周囲の温かい励ましの言葉に、
「そうだろう。父さん、良かったな。みんな祝ってくれているぞ」
 ユアンと同じだけ能天気なロイドが相槌を打ち、コレットがにっこりと頷き、ユアンはすっかり悦に入っている。
 クラトスはもはや身も心も立ち直れず、早く、終わりにならないかと心の中で祈るのみだ。
 だが、大事な恋人を傍らに置いたとたんに、いつも以上に調子の出たハーフエルフはつきについて、チップは増えるだけで、終わる気配を見せない。大当たりする度に、ほとんど正体を失っているクラトスに口付けを与え、ロイド達と手をつきあげて大喜びしている。台の周りは押すな押すなの人だかりで、クラトスが正気であったなら、とっくに逃げ出しているだろう。


 小さな国の国家予算もかくやの掛け金にあがったところで、ついにリーガルが呼び出される。
「大変申し訳ないが、これ以上は当カジノでは扱えない金額となる。勘弁してくれないか」
 ユアンに向って丁重にリーガルが頭を下げる。ようやく、正気に戻ったクラトスが腰で怪しく蠢くユアンの手を叩き落とし、ユアンに変わって答える。
「私が側についていながら、騒ぎになってすまなかった」
「そんなことはない。ここは賭け事を楽しむ場所だ。よもや、このつきは貴公のせいとは言えまい。ルーレットだからな、こればかりは」
 リーガルが答える横からユアンが口を挟む。
「いや、クラトスのせいだ。クラトスが私の傍らに来ると幸運マックスとなるのだ」
 彼の言葉に周りの人々から冷やかしの口笛と温かい拍手が送られる。クラトスはまたしても瀕死状態となる。
「だが、確かにこの金額は私が望んでいたものとは桁違いだ。クラトスに贈るつもりだったのだから、クラトスさえ良ければ終わりにしよう」
 当然、一刻も早くこの場を立ち去りたいと望んでいたクラトスに否はない。


 やんやの喝采を浴びて、二人は子供達を連れてカジノから出る。
 ユアンが稼いだお金は使うあてもないので、リーガルにこの世界の復興に使うようにとクラトスから頼んでおいた。もちろん、恋人はそのクラトスの姿を見て、自分で引き起こした騒ぎにも関わらず、
「何と素晴らしい提案だ。クラトス、私が愛しただけのことはある」
 と臆面もなく抱きつき、さらに周囲の観客達から喝采を受けていた。
「さすが、父さん」とすぐ横で感激の面持ちの息子が神子とユアンと一緒にクラトスの肩をたたいていなかったら、ユアンに奥義をくらわしていたところだ。
 そんなことを考えながら、クラトスは海から優しく吹き寄せられる涼しい夜風に火照る頬を冷やし、暢気に古い愛の歌を口ずさむ恋人に肩を抱かれている。空は、満天、星で輝き、暗い海から響く波の音もゆったりとしている。南洋の闇を彩る椰子の葉音も微かに、彼の心を擽る。そんな二人に何の遠慮もなく、スロットマシンの成果を楽しそうに報告する息子とその友人達の姿さえも愛しく、クラトスはこの世に在る幸せを再度噛み締める。
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