蜜月旅行(ハネムーン)

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終章:アルタミラで朝食を

 朝。
 晴れ渡った空に朝日が茜色に回りを染めながら、昇ってくる。昨日の喧騒が嘘のように静かな白い浜辺を二人で歩く。
 クラトスの髪にゆっくりと昇る太陽の最初の輝きが差し、いつもよりも明るく風に揺るがされる。クラトスにわずかに遅れて歩きながら、彼の後姿を通し、ユアンもその先の大洋を見る。
 穏やかな海原の果てから、いびつな陽が昇るにつれて徐々に完全な円へと形を変えていく。それにつれ、さざ波の上で銅色に反射していた光の筋は海全体で明るさを増しながら、広がり、やがて真っ青な海が広がる。
 明ける朝の静寂に、塒から飛び立つ鴎やアジサシの声が浜に響き、暖かい風が吹き寄せる。
 クラトスが振り返り、ユアンに側に来るようにと目で促す。朝日を背後に浴びて白い砂浜に上にくっきりと浮かび上がる、誰しもが振り返る恋人の見事なシルエットに見惚れながら、のんびりと近づく。待ちきれないように手を伸ばしたクラトスが、髪留めをせずに風に靡かせるままにしているユアンの髪ごと、その肩を抱き寄せる。
 潮風と共に運ばれてくる溢れんばかりのマナが二人の回りを覆う。







懲りない奴ら
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